2008/04/01

So where the bloody hell are you?

0

早いものでもう一昨年の話になってしまいますが、オーストラリア政府観光局は同国の観光地としてのイメージアップを図るために、あるキャンペーンを打ち出しました。そのキャッチコピーは“So where the bloody hell are you?(で、あなたは一体どこにいるの?)”。
ウェブサイトのURLも“http://www.wherethebloodyhellareyou.com”という分かりやすさです。

テレビ用のCMではグレートバリアリーフやエアーズロックなど、オーストラリアの大自然をフィーチャーし、その最後に若い女性がこのキャッチコピーを視聴者に投げかけます。ここ日本でもOAはもちろん、交通広告などでかなり露出していたので、皆さんもご存知かと思います。
何と言っても、このキャンペーンにオーストラリア政府が費やした広告費は実に18億ドル。かなりの本気です。

しかしこのキャンペーン広告、当初はイギリスで騒動を巻き起こしました。
イギリスのテレビCM監査機関(BACC)が、この“the bloody hell”という表現が不適切であるとの理由で、同国での放送を拒否したのです。これはオーストラリアの若者がよく使う言い回しなのですが、確かに、決して上品な表現ではありません。

ところが、この一件で相当な“話題性”を得たことが功を奏し、同ウェブサイトのPV数は激増。蓋を開けてみれば、普通の広告以上の宣伝効果を得た結果となりました。

ただ、この一件には裏話があります。
実はこのオーストラリア政府観光局、事前にBACCから“the bloody hell”は承認できない旨の警告を受けていたのです。
それに対しオーストラリア政府観光局は、「このニュアンスを他で換言することはできない」として断固とした姿勢を崩しませんでした。そこには“話題性”を目論んだオーストラリア政府観光局のしたたかさがあったのかも…。

結論としては、この“問題作”であるキャッチコピーが巻き起こした騒動も、オーストラリア政府観光局にとっては“追い風”となったわけで、それによって在り来たりのキャンペーンでは生み出しえない効果を得ることに成功したのです。

皆さんもオーストラリアに親しいお友達ができたら、是非使ってみて下さい。
"You're bloody great, mate!!"